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パンを焼かないパン屋①

ある日
パンをときどきお届けしている近くの保育園から
こんなパンの注文をもらった

 

 

それは食物アレルギーをかかえる園児のための

卵と乳製品を使わずに作るパン

 

 

工房にある通常の器具では混入の恐れがあるため

ボールやヘラを別に用意して

手ごねで生地を作ることにした

 

 

お昼前に焼き上がって届けると

先生がいつもより嬉しそうに受け取ってくれた

 

 

 

 

夕方

先生がやってきて笑顔で教えてくれた

 

 

「友達と同じものが食べられて子供がすごく喜んでいた」

 

 

そういうことだったのか

 

 

先生は特別な注文のパンが嬉しかったんじゃなくて

子供の喜ぶ姿を想像してニコニコしていたんだ

 

 

その子はいつも友達と違うものを食べて

教室の中で一人だけ疎外感を味わっていたのに

この日だけは一緒のものを食べることができて

幸せだったんだ

 

 

パンを作ったつもりだったけど

それはパンじゃなかったのかもしれないことに

気がついた

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