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「新宿伊勢丹本店英国展2025」の舞台裏を公開! vol.2

  • 執筆者の写真: 直 野村
    直 野村
  • 3月12日
  • 読了時間: 6分

更新日:4月6日




今回は第2回で、計画を作成したところからのお話です。



持って行くものリスト


地方都市の広島から上京するので、忘れ物をしたら致命的です。


簡単に取りに帰ることはできません。


でもあまり神経質になりすぎるとプレッシャーになってミスが増えるだろうと、「東京だから何か忘れ物があっても何とかなる」くらいの大らかな気持ちで臨みました。


なんなら誰かに借りればいいくらいの気持ちでいました。


もちろん仕上げ用の食材はさすがに忘れると仕入れや仕込みに時間を取られるため、これだけは意識して荷造りしました。


おかげさまで忘れ物はゼロですみました。



テーブルクロス


今回、初めて持って行くものとしてテーブルクロスを新調しました。


テーブルクロスというのは、店名やロゴが印刷された布で、商品を陳列する棚にかけて何の店かお客様に知ってもらうためのあれです。


日本橋三越本店英国展のときにテーブルクロスを用意していなかったのはうちくらいで、田舎者丸出しでした。



canvaは便利


元になるデータをオンラインデザインソフト「canva」で作成し、のぼりを専門に作っている会社へ入稿したら1週間で届きました。


最近はショップカードも、POPも、プライスカードも、全部「canva」。


1000枚単位で必要なものは印刷会社へオンラインで入稿すれば、こちらもやはり1週間足らずで届きます。


専門書をわざわざ買って読まなくても、操作を直感的に覚えることができる点も気に入っています。


昔、新聞の折り込みチラシをしていたとき、PhotoshopやIllustlatorを使っていましたが、覚えることが多すぎてすぐに使わなくなりました。


便利な時代になりましたねえ。



プロに頼るところは頼る


今回はレジをいわゆるマネキンさんに仕事を依頼しました。


広島から行くとお金がすごくかかるため、さらにお金をかけて人を雇うなんてとんでもないと思っていました。


けれど、レジをお任せした方がお客様をお待たせしないで済んで、結果としてよりたくさんのお客様にご利用いただけるようになりますし(来てもらえればですが、、、)、お会計ミスで三越伊勢丹さんにご迷惑をおかけしなくて済みます。


他にも、ノムさんが動き回れるようになるので(でかいから周りには迷惑かも、、、)、お客様がご注文した商品を二重チェックできるようになり、お引渡しミスも減ります。


短い時間ではありますが、お客様とコミュニケーションをとることもできますし、商品の補充も比較的タイムリーにできるようになって、プラス面が多くなることが期待できます。


とにかくまあ何と言っても、三越伊勢丹さんのレジは10種類以上の会計方法があって覚えるのが本当に大変なんです。


それを傍で見ながら教えてもらえることにもメリットがあると思い、今回はお願いしました。


かなり専門職で人が足りていないため、人材派遣会社へ依頼する場合は早い方がいいと思います。


ノムさんは、英国展出展申し込み書に派遣会社リストが載っているので、上から順番に当たっていきました。


日本橋三越本店英国展では両隣の出展者さんたちは、何年もずっと同じ人にお願いしているとおっしゃっていました。


長時間にわたって狭いところで一緒に働くので、相性が大事なんだと思います。


当日の様子を後ほど紹介しますが、びっくりというか、リスペクトせずにはいられないほど良い方に来ていただけました。


こればっかりは運なので、広島でこつこつ頑張ってきたご褒美と思っています。



飛行機やホテルの予約


飛行機は早く申し込めば申し込むほど、低料金でチケットを購入できるため、これはすぐに申し込みました。


ホテルは三越伊勢丹さんの提携ホテルを紹介してもらい、そこに泊まりました。


去年の夏はホテルから日本橋三越本店までドアツードアで、地下鉄の階段を下りて上がってを繰り返し30分以上かかりました。


疲れがたまるばかりで、「なんでもっと近くにしなかったんだ」と悔やみました。


商品を足元から取り出したり補充するだけで、1日に何百回もスクワットをしますし、9時間以上しゃべりっぱなしは、サッカーの試合をしながらコンサートを開いているようなものです。


今回、新宿伊勢丹本店から歩いて5分のところに宿泊できたのは本当によかったです。



企画への提案


ここまでは電話やメールで事務的にできる簡単な作業ですが、ノムさんにとっての英国展はここからが本番です。


出展依頼があってしばらくすると、三越伊勢丹さんから英国展の企画書が届きます。


今回、みなさんが英国展ホームページでご覧になられたように、PUBとかショートブレッドとか、特集がいくつも掲載されてあります。


自分のお店の特徴にあった商品が企画にあれば、手を挙げて(実際はメール)商品説明と数量を提案します。


限定数量にした場合、期間総量なのか、各日なのか、をきっちりしておかないと、最終日になって「おかしい!ないじゃないですか!」というクレームになるので注意が必要です。


商品が完売したらすぐに社員のかたへ報告し、社員のかたがすぐにXで発信するのが、ルールになっているくらい重要な業務です。


企画への提案締め切り日から1~2週間して採用の連絡があれば、写真撮りのための現物を手配したり、自分で撮影した商品の写真をメールします。



問題はここから


そしてここからノムさんが苦手な作業が始まります。


企画商品に採用されるとホームページに掲載されるんですが、それはつまり情報にミスが絶対にあってはならないことを意味します。


だから原産地情報から、品質表示シールから、アレルゲンから、保存温度帯から、とにかく詳細な資料の提出を求められます。


ノムさんは新しいもの好きですぐに飛びつくタイプなので、「あ、この企画おもしろそうだし、作ったことないけど作れるかも」とわけのわかんない理由で珍しいマニアックな英国菓子の企画(今回のバラブリスとかチェルシーバンズなど)に応募してはドツボにはまります。


製造もしなくちゃいけないのに、デスクワークで神経をすり減らし、ちょっと前にはストレートネックになって首が回らなくなり、えらい目にあいました。


家族には新しいことをしようとするたびに、「お店として進化するためだ」とかっこいいことを言って説得するんですが、今回のバラブリスは空洞がたくさんできる失敗が続き、予定していた数量の1.5倍を焼く羽目になりました。


作っている時は、これが将来進化するための過程なんだろうか、と疑問に思う日々なんですけど、失敗は次の挑戦への糧になることを経験上わかっているので、むしろ今失敗に気づいて良かったくらいの気持ちでやってます。


スポーツでいう量稽古。


繰り返し続けることが大事。


そのうち良くなることを信じて。


今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。


次回は計画に基づいて順番に話していきます。



書いている人



ノムさん

広島生まれ広島育ち

宮島でパン屋を創業し、現在は廿日市で英国菓子屋をやっています。

趣味はガーデニングとサッカー観戦です。


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