スコーンを薪窯で焼くようになって12年になります。レシピについてはだんだんと詳しくなっていったんだけど、その起源とか、本場のことは知りませんでした。もちろん、イギリスが発祥の地くらいはぼんやり知っていましたが、、、。
今、こんなにたくさんのスコーンを焼くようになって、何か芯になるものを体の中に持っておきたいと思うようになり、スコーンに関する文献を自然と調べるようになっていきました。
イギリスだけどイングランドじゃない!
するとまず、イギリスが4つの国からなることを知りました。「えっ!」と思った人、残念ながら僕と同じレベルです。そのうちの1つ、スコットランドがスコーン発祥の地であることもわかりました。
ちなみに4つの国とは、イングランド、スコットランド、北アイルランド、ウェールズです。ビートルズやシェークスピアが誕生したのは、首都がロンドンのイングランドです。
スコーンの形
さてそのスコットランドにはスクーン城なる古城があります。そこにはある有名な石があって、「運命の石(Stone of Destiny, Stone of Scone)」と呼ばれています。歴代の王様がこの石の上で戴冠式を行ったそうです。
実はその石の形が、スコーンのモデルなんですって。写真で見ると長方形の石で足と座面を組んでいます。だからスコーンは長方形が本来の形なんですが、今では丸い形に三角形に、僕なんて六角形の型で抜いて作っていますから、所変われば品変わるです。
バノックからスコーンに
古い文献に16世紀になってスコーンの起源と言われる、大麦粉を焼いた「バノック」の記述が見つかります。それから3世紀経った19世紀になって、オーブンやベーキングパウダーが広く普及し始め、今のようなスコーンが焼かれるようになりました。つまり時間のかかるイーストを使って焼くパンではなく、速製パンとして市民に受け入れられていったことがわかります。
イギリスから世界へ
アメリカではプレーンなイギリスタイプのスコーンは、ビスケットと呼びます。日本人にとってはややこしいですよね。ただ、イギリスと違ってバターの代わりにショートニングを、牛乳の代わりにクリームを使うことが多いみたいです。
そしてアメリカでスコーンと言うと具入りのものだけを指します。ドライフルーツやナッツ、チョコレートなどが入ったものです。こんな風に調べてみると、日本のスコーンはイギリスとアメリカのハイブリット型かもしれませんね。
アフタヌーンティー
本場イギリスでは、午後3時頃にアフタヌーンティーとしてスコーンにクロテッドクリームやジャムを塗って、紅茶と共に食す文化があります。サンドイッチやケーキも並びます。日本でもそうやって楽しまれる方が増えてきました。けれど高級なホテルやカフェなど、まだ一部の場所に限られている印象です。
僕のお店では、テーブルにはレースを敷き、その上にケーキスタンドとティーポットを飾っています。雰囲気がすごく出ます。スコーンやサンドイッチが高級に見えるので、ご用意されてみてはいかがでしょうか。
基本の英国式スコーンのレシピと作り方
スコーンについて調べていると、自然と本場のレシピが目に留まるようになってきます。その中に駐日英国大使館が公開しているレシピがあったので、それをもとにして薪窯で焼いたのがこの「英国式スコーン」です。
材料(8こ分)
薄力粉・・・340g
粉糖 ・・・ 38g
BP ・・・ 10g
バター・・・ 68g
牛乳 ・・・150g
(アレルゲン:小麦・乳成分)・・・卵不使用
1.薄力粉、粉糖、BP(ベーキングパウダー)をボウルに入れて軽く混ぜて合わせます。
2.バターを細かくカットして、1に加えてカードで切るように混ぜ合わせます。
手は汚れますが、両手でスリスリした方が早く粉類とバターが合わさります。
3.2と牛乳を合わせて、粉気がなくなるか、無くならないか、くらいまで混ぜ合わせます。
4.2〜3cmの厚みに伸ばしたものをラップして、冷蔵庫で30分くらい休ませます。
5.4で丸い形にした人は、包丁で8等分にし、三角形を作ると作業が早いです。
丸や四角の型抜きで、1つ1つ抜いても楽しいです。
6.牛乳か生クリームを刷毛で、生地の表面に塗ります。
卵を塗ると焼き色が濃くなります。
7.185〜190℃に熱したオーブンで20分ほど焼きます。
途中、前後を入れ替えると焼きむらが抑えられます。
こんな方に
アフタヌーンティーとして、スコーンを楽しみたい方。
クロテッドクリームの賞味期限が迫っている方。
ケーキスタンドを買ったけれど、使う機会が少ない方。
今日分かったこと
本日はスコーンの起源や基本のスコーンについて学びました。
①イギリスが4つの国からなることをノムさんは知らなかったこと。
②原型の形は四角形だったのに、ノムさんは六角形でも作っていること。
③基本のスコーンのレシピと作り方
英国式スコーンは、おひさまパン工房のオンラインショップでも販売しています。良かったら訪れてみてくださいね。
書いている人
ノムさん
広島生まれ、広島育ち。
サッカーと植物が好きです。
音楽はジャズを好み、工房でずっと流しています。
2010年から広島県廿日市市で、自作の薪窯でスコーンや食パンを焼いています。廿日市は木のまちなので端材がたくさん出てきます。それを廃棄しないで済むように燃料の薪として利用し、窯で燃やしています。
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