直 野村
薪割り
お店にサンフレッチェ広島のレジェンド・佐藤氏が来てくれました。
同級生がサッカーのコーチをしている縁で、宮島の時も立ち寄ってくれて義理堅いです。
今日は大学で講演会があるから関係者に差し入れにと「薪窯スコーン」をたくさん購入してくれたんですね。
こういう心遣いができるから、現役時代はキャプテンでしたし、引退した今でも全国の学校からJリーグまでアドバイザーとして、そりゃ呼ばれますよね。

スコーンを焼くのに薪窯を使っていて、そのために薪割りをしています。
杓子を作るときに出る端材は小さいのでそのまま燃やせます。
でも間伐材とか、家を建てるための建築資材の余りのようなものは、太かったり厚みがあるので割らないといけません。
もちろん割らなくても燃えますよ。
でもチョロチョロとしか炎が上がりません。
それだと火力よりも長く燃え続けることが優先される薪ストーブには適していても、薪窯には向いていません。
スコーンを焼くには大量の遠赤外線が必要で、そのためには石に徹底的に蓄熱させないといけないんです。
つまり、圧倒的な火力が必要になります。
強い火力の生むには、木の表面積を増やしてやるとか、その数を増やしてやることが重要です。
それを一度に達成させることができるのが薪割りなんですね。
算数的にいうと、縦横高さが10cmの角材の表面積は、10*10*6で600平方cm。
それを薪割りをして4つに分けると、1つの角材の表面積は(5*5*2)+(5*10*4)で250平方cmで、それが4つだから1000平方cmといった具合に1.6倍になります。
火力が弱いと遠赤外線の量も時間も減って、食感がふにゃふにゃになったり、水分やいい匂いが閉じ込められなかったりするので、薪割りにはとても神経を使います。