日本橋三越本店の英国展が2024年も盛大に開催されました。
英国の伝統と最新トレンドが一堂に会するこのイベントでは、英国菓子、上質な紅茶、伝統的なクラフト製品など多彩な魅力が発信されていました。
怒涛の一週間が過ぎ、ランニングを再開できるほど体力が復活してきたので、ノムさんが内側から見た英国展について体験レポートしてみたいと思います。
これを読んで出展するきっかけになったり、お客様として遠方からでも東京の日本橋までお出かけしてみたいと思ってもらえたら嬉しいです。
vol.1の出店するきっかけに続いて、今日は英国展に出展するために必要な提出書類の裏側について、リポートします。
三越伊勢丹HD様が開催される催事の中で日本一
出展を決めた後で知ったのですが、三越伊勢丹HD様の数ある催事の中で日本橋三越英国展は日本一の売り上げ規模なんだそうです。
売り上げを聞かされても桁が違い過ぎてピンと来ませんでしたが、「最低、このくらいは用意してほしい」と言われたとき思わず、「え、そんなん誰が作るん?」と口から出そうになってしまいました。
他の出展者さんのSNSを見てみると、8月をまるまる休んで準備されているところや、最低でも1、2週間は準備期間に充てられていて、「さすが、英国展に呼ばれる繁盛店は違うなあ」と他人ごとのように感じていました。
うちはそんな店じゃないからと、最初は通常通りの営業を続けながら準備するつもりで、のんびり構えておりました。
ただ、「初めてなんよ」「出発間際まで追い詰められて絶対にバタバタするから」と家族からの強い説得もあり、方針転換して2週間休業し、英国展に専念することにしました。
今振り返ると、もし営業を続けていたら製造や発送が間に合わずにギリギリまで作業し、あの迷走台風で飛行機にも新幹線に乗れなかったと思います。
家族のみんな、ありがとう、というかごめんなさい。
英国展は提出書類の山でできていた
ところで大変なのは製造だけではなく、提出書類もです。
広島の菓子屋のおじさんにとっては、Excelで書類を作ったり、プリンターでスキャンしたデータを送ったり、ZOOMミーティングの設定以上に苦労しました。
出展申し込み書、口座開設書、企画提案書、品質管理書類等々、整理するために買ったクリアファイルの厚みは最終的に5cmの厚みになるほど。
6月に入ってからは英国菓子を作っているよりもPCに向かって提出書類を作成している時間の方が長かった気がします。
そして初めてのことで間違いも多く、メールしては直してもらいを繰り返し、担当の方は本当によく我慢してくれたなあと、あらためて思います。
また、メールを送るたびに、「頑張りましょう、大丈夫です」と励まされ、その人たちのために一生懸命やろうと心に誓ったものです。
企画に提案した商品が採用される
品質管理関係の書類はアレルゲンや消費期限の表示など、人の命に関わることなので何度も何度もセルフチェックして送った甲斐あって、意外と早くクリアーしました。
一番厄介だったのが、広告に掲載される企画提案書です。
募集しているテーマに合った商品を提案し、採用されれば写真を送る流れです。
「クールデザート」「ファッジ」「セイボリースコーン」など、10くらいの企画がありました。
広島のお客様にどんなお菓子が合うか試行錯誤中の現在、まずはいろんなお菓子を作れるようになろうと種類のストックだけはあったので、ダメ元ですべての企画に提案したところ、そのいくつかに採用してもらえました。
経験の浅い店に出展の声をかけてくれるなんて、と最初は謙虚なことを言っていたくせに、こういうときは図々しいくらいグイグイ行く性格が幸いしました。
採用されるポイントなんてわかりませんから、どうせうちなんて無理とか思わず、とにかく「たくさん出してみる」ことを自分の中で決めたのが良かったみたいです。
出展を決めたときと同じ考え方ですね。
校正でも迷惑をかけました
広告ですから掲載スペースが決まっていて、文字数には制限があります。
作った本人はこだわりがあるので、あれも言いたい、これも言いたいとつい長文になります。
したがって、そこを我慢して文章をまとめる能力が必須になります。
なんて偉そうなことを言っていますが、ほとんどの提案書を担当の方にコンパクトにまとめ直してもらったのが実際です。
読みやすい、伝わりやすい、言いたいことがわかる、文章に修正して下さったおかげで、売れ行きが相当良くなったと思います。
プロの書く売れる文章は全然違います。
提出してしばらくすると1回目の校正が入って写真や文章をチェックし、2回目で完了する流れですが、画像の下に記載される販売予定個数と期間について最後まで悩み、校正が3回になったものもあります。
葛藤
たとえば期間150個と、各日50個では意味合いが異なります。
前者は在庫が無くなり次第終売で、後者はどんなに売れ行きが良くても、最終日のために50個を用意しておく必要があります。
初出店で、無名の東京でどれだけ売れるかわかりません。
自然災害のリスクもあります。
それに広島から発送するだけでとんでもない輸送コストがかかるため、残って廃棄することだけは避けたい心理的なプレッシャーもかかります。
かといって、最終日にしか来られない方もいるからなんてことを考えると、本当に寝られなくなります。
最終的に、「損をしたくない」という気持ちが勝ち、期間でご用意できる総合計を記載してもらうことにしました。
その結果、最終日にはケーキ類がほとんど残っていませんでした。
そのことで三越日本橋店様にクレームのお電話が入ったり、ネットで口コミされたりもしました。
そうならないために夜も寝られないほど検討に検討を重ねて、各日のご用意とはしない広告掲載内容にしたので、これにはさすがに凹みました。
けれど救われたのは、クレームのお電話を受けた日本橋三越のフロアのご担当の方が、「後のことはお任せください。そのために私たちがいますから。目の前のお客様だけに集中してくださればいいですよ」と声をかけて下さったことでした。
つづく。
今日も最後まで読んで下さってありがとうございました。
書いている人
ノムさん
広島生まれの広島育ち。
ルンビニ幼稚園、五日市町立南小中学校、広島県立廿日市高等学校、京都外国語大学卒。
趣味はサッカー観戦とガーデニング。
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