top of page

ノムさん、ウェルシュケーキの国へゆく DAY1

  • 執筆者の写真: 直 野村
    直 野村
  • 10月25日
  • 読了時間: 7分

更新日:6 日前


ree


バスに乗ろうとしてクレジットカード決済がうまくいかないと、ノムさんの後ろに並んでいたおばあちゃんが自分のチケットを使ってと言ってくれました。


列車に備え付けのUSBで充電するのに手間取っていると隣のブースの女の子が床に膝と手をついて手伝ってくれました。


スーパーで買い物をすれば割引セールになるよう手伝ってくれたり、使い勝手の分からないセルフレジで格闘していると店員ではなく警備のおじさんが使い方を教えてくれました。


朝早い移動のためにタクシーをホテルのスタッフに予約してもらうと、パソコンの画面も見ないでノムさんの名前をタクシー会社に伝えてくれました。


あるウェルシュケーキ屋さんは列車の到着時間も伝えていないのに駅を降りたら待ってくれていました。


バスや列車に乗れば、乗客と運転手さんや駅員さんとの会話を楽しみ、日本人のノムさんにも「ありがとう」とか「良い一日を」と気さくに話しかけてくれました。


カーディフ城の前で記念撮影をしていると通勤途中にもかかわらず、地元の人が写真撮影を代わって撮ってくれました。


これはノムさんだから?


いやいや、見た目はけっこう怪しいです。((+_+))


そんな英国菓子屋OHISAMAのノムさんが見てきた、ウェルシュケーキの本場ウェールズを紹介していきますね。



そもそもどうしてウェールズに行くことにしたの?


これには3つ理由があります。


1つめはひろしまの田舎で英国菓子を細々と作っていたノムさんのお店OHISAMAが、英国展に出るきっかけになったお菓子がウェルシュケーキだったからです。


レシピ本を参考に見様見真似で作ってSNSに発信していたら、それをBrew Teaの山家さんがたまたま見つけてくれて三越伊勢丹のバイヤーに紹介してくれたんですね。


それからは、著書の中の写真でしか見たことがなかった英国菓子職人さん達とたくさん知りあえてお店に招いてもらったり、全国からひろしまのお店まで訪ねて来てくれるお客様が増えたりと、ノムさんの人生が大きく変わりはじめました。


そんなウェルシュケーキの本場であるウェールズってどんな国なんだろうと、純粋な疑問が生まれて日に日に大きくなっていったんですね。



ree


2つめは本場のウェルシュケーキはどうやって作られるんだろうと、英国菓子職人としての探求心からでした。


日本橋三越英国展でウェールズのカーディフマーケットにあるBakestonesのアダムさんと友だちになって、ブースでウェルシュケーキを食べさせてもらったり、道具を見せてもらったり、どんな種類を作っているのか質問攻めにしたんですが、初めて聞くことばかりで頭の中に映像が浮かばず何かピンときませんでした。


食べ方だって、真ん中を割ってジャムを挟むとか、クロテッドクリームを塗ることもあるよとか、そんなの写真でもYouTubeでも見たことがありませんでした。


それならもういろんなウェルシュケーキ職人に会って、教えてもらうしかないと思ったわけです。



最後の3つめは経営者としての悩みでした。


こんなに美味しいウェルシュケーキなのに、ひろしまでは一日に数枚しか売れません。


英国展ですぐ近くのブースだったアダムさんのお店は、開店から閉店まで毎日ずっと行列が途切れませんでした。


聞けば1日あたり1500枚も売れていたそうです。


日本にもウェルシュケーキを好きな人がいてよかった、これは伸びしろがあるぞ、と思えるほどの器量はノムさんにはなく、「ええのおー」とただ見ていました。


ひろしまでもウェルシュケーキが売れるようにしたい。


ウェールズにはたくさんのウェルシュケーキ屋がある中で、日本の英国展に呼ばれるということは一流のお店であることの証しです。


商品の品質が良いだけでなく、売り方にも特徴がきっとあるはずです。


一流のお店になるためには一流の人に会ったり、一流の環境に身を置くのが一番。


そんなことを考えていたら気が付くと、ウェールズ行きのチケットを買っていました。



DAY 1


2025年10月5日の日曜日。


OHISAMAノムさんはウェールズへ向けて出発しました。


その前に信心深いノムさんは朝早く、お墓参りへ行ってご先祖様に安全祈願。


スーツケースのタイヤが壊れないように、アスファルトが粗いところをちょっと浮かせながら近所のJRの駅へ向かったのでありました。



20年ぶりの国際線ターミナルはSFの世界でした


ひろしまからは新幹線に乗って博多駅まで行き、そこから地下鉄に乗り換えて福岡空港までドア・ツー・ドアで2時間で到着します。


国際線ターミナルまでは無料のシャトルバスに乗って移動します。


チェックインはオンラインで済ませていたので、手荷物を預けるだけです。


昔はチェックインカウンターで地上スタッフの方が全部やってくれていましたが、今はエコノミークラスや荷物が少ないお客さんは自分でやるようになっていました。


スーツケースをベルトコンベヤーに載せたら、パスポートと航空券を機械に読み取らせます。


顔も撮影されます。


プリントアウトされたきたテープをスーツケースの取っ手部分に巻きつけたら完了です。


次にスーツケースと会うのはロンドン・ヒースロー空港です。


もう10年歳をとっていたら、「スーツケースがのうなったんじゃが(ひろしま弁で無くなったの意)」と暴れそうなくらい、いつの間にか目の前から消えていました。


福岡空港にしろ、これから利用する香港やロンドンの空港にしろ、出国も入国も搭乗もぜんぶ「ピッ」「ピッ」で済んで、海外渡航が20年ぶりのノムさんにとってほぼSF映画の世界になっていました。



香港キャセイパシフィック航空


ちなみに航空会社は香港のキャセイパシフィック航空で、香港で一度乗り継ぎをしてからロンドンへ向かう便を選びました。



ree


最近は条件を入力しさえすれば、いろんな航空会社を提案してくれる便利なアプリがあります。


今回、ノムさんはSkyscannerを使って予約しました。


◆Skyscanner


条件がピタッとはまったせいでもありますが、会社員時代にキャセイパシフィック航空の機内食を担当していたことがあって、先方にとても良くしてもらったから選ばせてもらったというのもあります。


特定の航空会社グループのマイレージを貯めているかたであれば、別のアプリを使って検索してみるといいと思います。


もちろんそんなことをしなくてもウェールズを検索し始めたら、Skyscannerに類似したアプリの広告や、英会話、旅行代理店、eSIMやWi-Fiの会社から広告がバンバン表示されるようになるのでご安心ください?!



香港国際空港へ


出発まで時間がたっぷりあったのと国際線ターミナルには飲食店がほとんどなかったので、お昼を食べにシャトルバスにわざわざ乗って国内線ターミナルに戻りました。


ウェールズへ試合に行くわけでもないけれど、意味もなくゲンを担いでカツ丼を食べました。


そしてまた戻って来て出国手続きを終えて搭乗ゲートに向かったら、同じつくりのフードコートがそこにもあって倒れそうになりました。


ランチでのモヤモヤ感を抱えたまま、飛行機は1時間遅れではあったものの無事に出発し、3時間半の快適なフライトを経て香港時間の夕方6時すぎに到着。


その1週間ちょっと前は、香港を巨大台風が通過して500便が欠航になっていましたし、この日も午前中まで新しい台風がそばを通過していたので、無事に着くのか気が気ではありませんでした。


朝、お参りをしておいてよかったです。


ただ、香港への出発も到着も1時間遅れたことと、中国の国慶節と重なって香港が人でごったがえしていたので、香港英国菓子ツアーはあきらめざるを得なかったのが心残りでした。


また次の機会ですね。



ree


ロンドンへのフライトは午後11時15分発。


香港国際空港は待合席には充電器からFree Wi-Fiがもちろんありますし、アジア最大級のハブ空港でターミナルが巨大ですから、散歩するだけでもひまつぶしには事欠きません。


ただ、空港内ということもあって飲み物さえ買うのをためらってしまうほど高価で、利用したのはトイレくらいです。


いやもうほんとうに、日本は物価高というけれどそれだって香港からみれば安いので、国際的には相対的に貧乏になったんだなと嫌でも自覚させられました。


そして少し遅れて夜11時半すぎに香港国際空港を出発し、14時間のフライトを経て黄金色に光るロンドンの街を見下ろしながら、ヒースロー空港へ到着したのは朝の6時過ぎ。


それは家を出てから30時間後のことでした。


ちなみに運賃はそれなりにする直行便の方は、ドア・ツー・ドアで20時間で着いてしまいます(*´▽`*)




今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。


次回はDAY2で、ウェールズの首都カーディフ近くのカーディフベイの紹介です。




書いている人


ノムさん


ree

広島県廿日市市で「英国菓子と紅茶のある暮らしOHISAMA」で英国生まれの古いお菓子を手づくりしたり、英国製の紅茶を楽しんでもらうお店をしています。


◆SUNDAY MARKET(オンラインストア)

コメント


bottom of page