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第1話「アフタヌーンティーは、お菓子を食べるだけの時間じゃない」

執筆者の写真: 直 野村
直 野村
14 時間前
読了時間: 6分

アフタヌーンティーというと、きれいに並んだお菓子を楽しむ時間ですよね。


もちろん、それも楽しみのひとつです。


でも、OHISAMAでアフタヌーンティーを楽しんでくださるお客様を見ていると、どうやらそれだけではないようです。



こんにちは。


OHISAMAのノムさんです。



英国展に招待してもらえるようになって、国内のティールームのオーナーさんや、英国から来日した職人さんと交流する機会が増えました。


そんな方々にアフタヌーンティーについて話を伺うと、どうやらお腹いっぱいになるまで食べて終わり、というものではないようなんです。


それまでは、いろんな英国菓子をお皿にたくさん並べて、紅茶と一緒に楽しむメニュー。


それ自体がアフタヌーンティーだと思っていました。


でも、そうではありませんでした。



お誕生日のお祝いだったり、久しぶりに会うお友達との時間だったり。


お菓子を囲みながら話が弾んで、気がつけばもう2時間。


そんな時間を過ごすことも、アフタヌーンティーの大切な楽しみなんだと気づきました。



OHISAMAのお菓子は、すべて英国生まれ


OHISAMAのアフタヌーンティーには、ひとつ決めていることがあります。


並んでいるお菓子は、すべて英国生まれのお菓子だということ。


カヌレもマカロンも、おいしいお菓子ですよね。


でも、うちのアフタヌーンティーには登場しません。


ノムさんには作るのが難しいから?


それもあります(笑)。



せっかく英国菓子を楽しみに来てくださったのだから、英国のお菓子をたっぷり味わっていただきたい。


そんな思いで、ひとつひとつのお菓子を選んでいます。


そして、英国菓子のおもしろいところは、それぞれに物語があることなんです。


ノムさんが英国菓子にハマった理由も、まさにそこ。



例えば、ファッジ。


名前の由来には諸説ありますが、キャラメルを作ろうとして失敗し、「FUDGE!」と叫んだことから名づけられた、という説もあります。


ノムさんが勝手に名づけたわけじゃないんです(笑)。


そんな話が、英国菓子にはわんさかあるんですね。



実は、こんなところにもこだわっています


ところで、アフタヌーンティーの一段目にあるサンドイッチ。


あのパン、実は自家製なんです。


……と書いてみたものの、どれくらいのお客様が気づいてくださっているんでしょう(笑)。



スコーンにも、ちょっとした工夫があります。


OHISAMAのスコーンには、ヨーグルトを入れています。


ノムさんがバイブルにしている英国菓子のレシピ本。その著者であるレイジーデイジーベーカリーの中山さんから教わったレシピです。


そして、甘みとコクを引き出す隠し味が、ひとつまみの塩。


こんなふうに、定番のお菓子にも、ちょっとした工夫があるんです。



メニューも、実は毎日同じではありません。


コテージパイ、スコーン、サンドイッチは定番ですが、二段目のお皿に並ぶスイーツは日によって変わります。


ケーキだけでも毎日10種類ほどご用意しているので、例えば今日はレモンドリズルケーキとヴィクトリアサンドイッチケーキだったのが、翌日はトフィーアップルケーキとラズベリー&ピスタチオのトレイベイク、といった具合です。


ただ、残念ながら二日連続でアフタヌーンティーを楽しみに来てくださる方は、まだいらっしゃいませんけど(笑)。



紅茶を選ぶところから、楽しみは始まります


OHISAMAでは、紅茶を10種類以上ご用意しています。


これだけあると、どれにしようか迷ってしまいますよね。


お菓子に合わせて選ぶのもいいですし、普段は飲まない紅茶を試してみるのも楽しいものです。



紅茶とお菓子がテーブルに並んだら、いよいよアフタヌーンティーの始まり。


写真を撮ったり、お菓子を味わったり。


お友達との会話も、だんだん弾んできます。



「自分で撮ると、いつも料理ばっかりの写真になるから嬉しいわ」



写真を撮るお手伝いをすると、そんなふうに喜んでくださるお客様もいらっしゃいます。


せっかくのお祝いですから、皆さんそろって写真に残しておきたいですよね。


写真を撮りたいときは、遠慮なくノムさんに声をかけてください。



おうちに帰ってからも、英国菓子の楽しみは続きます


アフタヌーンティーを楽しんだあと、ファッジや焼き菓子、それに紅茶を買って帰られるお客様がいらっしゃいます。


そんな姿を見ると、



「お店で過ごした時間が、きっと楽しかったんだろうなあ」



と、ノムさんは温かい気持ちになります。


以前、英国を訪れたときの話から、ウェルシュケーキについてお話ししたことがありました。


「ウェルシュケーキって、ウェールズ以外ではあまり見かけないんですよね。知る人ぞ知る郷土菓子っぽくて、そこがまたいいんです」



そんな話をすると、「じゃあ」と、おうち用にウェルシュケーキを買ってくださることも。


家に帰って、今日のことを思い出しながら紅茶を淹れる。


お店で食べたお菓子や、話を聞いたお菓子を、今度は家族や友人と楽しむ。


そんな時間も、英国菓子の楽しみ方のひとつだと思っています。



広島では、まだまだ英国菓子が知られていません。


だから、英国菓子に興味を持ってくださるお客様がいると、仲間ができたようで、さらにうれしくなってしまうんです。



また、あの時間を過ごしに


ノムさんと話をしたことがきっかけで、何度も足を運んでくださるお客様もいらっしゃいます。


お菓子の話をしたり、英国の話をしたり。


ときには、肩が上がらないとか、近くが見えないとか、健康の話で盛り上がったり(笑)。



もちろん、お菓子を気に入っていただけることもうれしいです。


でも、「お菓子がおいしかった」だけではなく、「OHISAMAで過ごした時間が楽しかった」。


そう思っていただけることも、ノムさんたちにとって大切なことです。



アフタヌーンティーは、お菓子を食べるだけの時間じゃない。


大切な人と話したり、いつもの日常から少し離れてみたり、物語の詰まった英国菓子に出会ったり。


そんな時間を過ごしに、またOHISAMAへ来ていただけたらうれしいです。





書いている人 ノムさん


広島生まれ。英国菓子と紅茶のある暮らしOHISAMA代表。

公務員の家庭に育ち、大学を卒業後は食品会社に就職。一念発起して会社を退職し、宮島でパン屋を創業したものの繁忙期と閑散期のギャップから体調を崩し僅か5年で離島。その後、業種を変えながら再起を図るもうまくいかず、借金が2,500万円まで膨れ上がる。

これが最後の挑戦と覚悟を決め、安定した人気のスコーンを深堀りしていくことに。すると、その原点であるスコットランドのスクーン城にたどり着き、そこから英国菓子に興味が広がっていく。何世紀も変わらないレシピや伝統といった神秘性にハマり、店では全然売れなかったがとにかく作り続けて、売れ残ったものを食べる日々を過ごす。

そんなある日、東京の英国展に招待されてから人生が大きく動き始める。広島でも英国菓子が売れ始め、中でもファッジは借金を完済できるようになるまで経営の柱に成長。今では英国へファッジの取材へ行ったり、ファッジの歴史を調べることが大きな生きがいになっている。

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