月刊ファッジ創刊号「ファッジの起源」
- 直 野村
- 5月3日
- 読了時間: 4分
ファッジってなあに?
はじめまして。
宮島を臨む丘の上にある「英国菓子と紅茶のある暮らしOHISAMA」でファッジを作っているノムさんです。
ファッジというのは世界中で食べられているキャンディーの仲間で、砂糖とバターと練乳と牛乳をコトコト煮詰めて作る「世界一甘いお菓子」として有名です。
噛むとサクサクしていて、口の中で転がしているとすぐに溶けてなくなってしまう不思議な食感と、乳製品の甘く濃厚な香りが特徴のお菓子です。
とっても美味しいお菓子なのですが、広島では残念ながらまだあまり知られていません。
そんなファッジを広島にもっと広めたくて、発信していくことにしました。
ファッジとの出会い
ファッジをノムさんが初めて知ったのは2023年のことでした。
当時は英国菓子に興味を持ち始めた頃で、勉強のために訪れていた大阪の紅茶屋さんの売り場で見かけて、「高っ!」と思って買いませんでした。
今思えば、いったい何をしにわざわざ広島から大阪へ行ったんでしょうね。
ファッジの「フ」の字も知りませんでしたから、価値がさっぱりわからなかったんです。
ファッジを初めて作ってみた
それから一年が経ち、スコーン以外にも何か作ろうと考えていた時にふと、ファッジのことを思い出したんですね。
それで本やネットで調べていたら、NHKのお菓子番組「グレーテルのかまど」の公式ホームページにファッジのレシピが掲載されているではありませんか。
材料は全部お店にありましたから、新しく買いそろえる必要がありません。
鍋でコトコト煮て、あとは冷ますだけで作れるなんて最高だと思いました。
しかし、このファッジよりも甘い考えが後々、大問題を引き起こすことになるなんてその時は夢にも思いませんでした。
はじめてのファッジの味
温度計がなかったので、熱くトロトロのファッジをスプーンですくって水の中で傾け、その動きで完成したかどうかを判断しました。
すーっとゆっくり落ちたら生キャラメル、カチンコチンに固まって微動だにしなかったら日本でいうキャンディー、その中間がファッジになります。
ずいぶんアナログな作り方をした割には、なぜか上手にできてしまいました(ただ、このラッキーがこれまたいけなかった)。
たまたま店に来られていたお客様に試食してもらったら、悲鳴のような大声で「美味しいー、ナニコレー」と言われ、さらに調子に乗ってしまいました。
とにかく自分でもびっくりするくらい美味しいものができたんですね。
窯出ししたばかりの熱々ふわふわのスコーンやビスケットも美味しいんですけど、ファッジにはそれ以上の感動がありました。
あの日から随分経ちますが、ファッジを超えるお菓子にいまだに出会ったことがありません。
ファッジの起源
ところでファッジは専門店がたくさんあるイギリスの方が有名ですが、その起源には諸説あって一般的には19世紀末のアメリカで生まれたと考えられています。
とある大学の女子学生がキャラメルづくりに失敗して、、、
そこでノムさんなりに調べてみました。
記録に残っているのは、1886年にアメリカ東海岸の名門女子大学ヴァッサー大学の女子学生がキャラメルを作ろうとした際、誤って高温で加熱してしまい、固まってしまったものがファッジの原型になったという説です。
この話を聞いて、失敗して何かできてしまったらブログに顛末を書いて、なおかつ名前も付けてしまおうと思いました。
残念ながら、失敗して美味しいものができるのは稀で、今のところ笑い話しか書けていません。
FUDGEの名前の由来
この女子学生が友人たちに「ファッジ(fudge)」と名付けて配ったことから広まったとされています。
「fudge」という言葉自体には、「でっちあげる」「ごまかす」といった意味合いがありますが、「fudge up」というと「失敗する」という意味になります。
ノムさんが失敗という名前のお菓子を販売したら、うーん、たぶん買ってもらえないでしょうねえ。
欧米のみなさんは寛容ということなんでしょう。
失敗……気になりますねぇ🤭